繰上返済

期間短縮型の繰上返済で何年短くなる?金額・金利別に計算

期間短縮型の繰上返済で返済期間が何年何か月短くなるかを、繰上額100万・300万・500万円と金利別に計算。3年・5年短くするのに必要な金額や、実行時期による違いも示します。

この記事のポイント

  • 残高2,800万円・残り30年・1.5%なら、300万円の期間短縮型で47か月(3年11か月)短くなる
  • 金利が高いほど、同じ繰上額で短くなる期間も減る利息も大きくなる
  • 実行が遅いほど効果は小さく、20年後の300万円では減る利息は約4分の1になる
  • 同じ300万円でも返済額軽減型の減る利息は727,351円で、期間短縮型の半分弱

300万円で約4年短くなる:計算例

期間短縮型の繰上返済は、毎月の返済額を変えずに返済期間を短くする方法です。計算例として、残高2,800万円・残り30年・年1.5%(仮定)のローン(毎月96,634円)に繰り上げると、100万円で16か月(1年4か月)、300万円で47か月(3年11か月)、500万円で77か月(6年5か月)、返済期間が短くなります。

減る利息は、100万円で553,137円、300万円で1,568,869円、500万円で2,471,439円です。全国銀行協会は、期間短縮型は返済額軽減型より利息の軽減効果が大きいと説明しています。短くなる年数は、繰上額のほか、金利と毎月の返済額によって変わります。以下で条件ごとの違いを見ていきます。

2,800万円・残り30年・1.5%で300万円を繰上返済
  1. 繰上返済なし679万円
  2. 期間短縮型522万円
  3. 返済額軽減型606万円

元利均等・毎月返済で本サイトの計算式により算出(金利は計算例で、市場金利や予測ではありません)。

グラフの数値を表で見る
2,800万円・残り30年・1.5%で300万円を繰上返済
方法利息の合計毎月の返済額返済期間
繰上返済なし6,787,856円96,634円30年
期間短縮型5,218,987円96,634円26年1か月
返済額軽減型6,060,505円86,281円30年

金利・繰上額別の早見表

残高2,800万円・残り30年で期間短縮型の繰上返済をした場合
年利(仮定)毎月の返済額100万円300万円500万円
0.6%85,008円1年2か月短縮・利息193,257円減3年5か月短縮・利息554,935円減5年9か月短縮・利息884,267円減
1.5%96,634円1年4か月短縮・利息553,137円減3年11か月短縮・利息1,568,869円減6年5か月短縮・利息2,471,439円減
2.5%110,634円1年6か月短縮・利息1,076,432円減4年6か月短縮・利息3,000,780円減7年3か月短縮・利息4,655,211円減

金利が高いほど、同じ繰上額で短くなる期間も減る利息も大きくなります。金利が高いと毎月の返済額のうち利息の割合が大きく、元金の減りが遅いため、元金をまとめて減らしたときに返済の回数を減らす効果が大きく出るからです。

◯年短くするには、いくら繰り上げればよいか

「定年までに返し終えたい」など、短くしたい年数が決まっている場合は、必要な繰上額を逆算できます。上の年1.5%の条件で、1万円単位で計算すると次のとおりでした。

  • 3年短くする:227万円(実際に短くなるのは3年以上)
  • 5年短くする:384万円

おおまかには、この条件では100万円で1年3〜4か月ほど短くなる計算です。ただし、毎月の返済額が大きいローンほど1回分の返済で返す元金も大きいため、同じ金額で短くなる期間は小さくなります。たとえば残り25年・年1.5%で100万円を繰り上げると、残高1,000万円のローンでは35か月、3,000万円のローンでは12か月短くなる計算で、毎月の返済額の大きさによって短くなる期間は3倍近く違いました。必要な額は、自分のローンの残高・金利・残り期間で確認してください。完済時の年齢から逆算する考え方は完済年齢から返済期間を決めるが参考になります。

実行が遅いほど、短くなる期間も減る利息も小さい

同じ300万円でも、実行する時期が遅いと効果は小さくなります。年1.5%の条件で、今すぐなら47か月短縮・利息1,568,869円減ですが、10年後に繰り上げると40か月短縮・948,775円減、20年後なら35か月短縮・410,988円減でした。

短くなる月数の減り方より、減る利息の減り方のほうが大きい点に注目してください。今すぐと20年後を比べると、短くなる月数は47か月から35か月へ約4分の3になるだけですが、減る利息は約4分の1まで小さくなります。返済の後半では、短くなる最後の数年間の返済に含まれる利息がもともと少ないため、同じ月数を短くしても減る利息は小さくなります。早めに繰り上げるほど効果が大きいことは繰上返済はいつがいいかで詳しく計算しています。

2,800万円・30年・1.5%で20年後に300万円を繰上返済
  1. 繰上返済なし679万円
  2. 期間短縮型638万円
  3. 返済額軽減型656万円

元利均等・毎月返済で本サイトの計算式により算出(金利は計算例で、市場金利や予測ではありません)。

グラフの数値を表で見る
2,800万円・30年・1.5%で20年後に300万円を繰上返済
方法利息の合計毎月の返済額返済期間
繰上返済なし6,787,856円96,634円30年
期間短縮型6,376,868円96,634円27年1か月
返済額軽減型6,555,374円69,695円30年

最後の回の返済額と、実際の計算との違い

本サイトの計算では、繰り上げた額をそのまま元金から差し引き、毎月の返済額を維持して返し続けるため、最後の回の返済額が通常より小さくなります。たとえば年1.5%で300万円を繰り上げた場合、最後の回は69,179円です。

実際の契約では、期間短縮型の繰上返済額を月単位で計算するため、実際の返済額が若干前後すると全国銀行協会のFP回答で注記されています。つまり、指定した金額ちょうどではなく、短くなる回数に見合う金額に調整されることがあります。正確な繰上額と短縮後の最終返済日は、金融機関の試算で確認してください。

また、本サイトの計算は金利が残りの期間ずっと一定の前提です。変動金利で将来の金利が上がれば、毎月の返済額のうち利息の割合が増えるため、短縮後の完済時期が計算どおりにならないこともあります。金利が上がった場合の返済額は金利上昇シミュレーションで別に確認しておくと安心です。

期間短縮型を選ぶ前に確認したいこと

  • 毎月の返済に余裕があるか:期間短縮型では毎月の返済額は変わりません。全国銀行協会は、毎月の返済に余裕があるなら期間短縮型を、余裕がない場合や近い将来に教育費の負担増が予想される場合は返済額軽減型も検討するよう案内しています。
  • 手元資金:繰り上げたお金は戻りません。生活費の備えを残したうえで金額を決めます。
  • 手数料と最低金額:契約によって違います。
  • 住宅ローン控除:控除期間中は控除額が減ることがあり、大きく短縮すると返済期間10年以上の要件との関係も確認が必要です。詳しくは繰上返済と住宅ローン控除へ。

返済額軽減型と組み合わせる考え方

期間短縮型と返済額軽減型は、どちらか一方に決める必要はありません。今は毎月に余裕があるので期間短縮型で完済を早め、教育費が増える時期には返済額軽減型で毎月の負担を下げる、というように、時期によって使い分けることもできます。

年1.5%の例で、同じ300万円を返済額軽減型で繰り上げると、減る利息は727,351円で期間短縮型(1,568,869円)の半分弱ですが、毎月の返済額は10,353円下がります。それぞれの計算は返済額軽減型で月々がいくら減るかで確認できます。

自分のローンで短くなる期間を計算する

繰上返済シミュレーションに、返済予定表の残高・残りの返済回数・適用金利と、繰上額・手数料を入力してください。「期間を短くする」の欄に、短くなる期間・残りの実返済期間・減る利息が表示されます。短くしたい年数が決まっている場合は、繰上額を変えながら必要な金額を探してみてください。

参照した情報

本記事は一般的な仕組みと計算の読み方を説明します。契約の条件は金融機関の書類で確認してください。