借入額の目安

頭金なし(フルローン)の住宅ローン:返済額・総額と融資率の確認

物件価格4,000万円を頭金なしで全額借りる場合と、1割を頭金にする場合を比較。融資率の計算方法、9割を超えると金利や審査が変わる仕組み、諸費用に必要な現金を確認します。

この記事のポイント

  • 4,000万円を頭金なしで借りると、1割頭金より月12,247円、利息は1,143,963円多くなります。
  • 融資率は借入額÷建設費または購入価額で、【フラット35】では9割以下か9割超かで金利が異なります。
  • 頭金なしの金利が仮に0.2ポイント高いと、1割頭金との利息の差は2,805,542円に広がります。
  • 諸費用は物件価格の5〜10%程度が一般的で、頭金なしでも現金が別に必要になります。

4,000万円を頭金なしで借りると、1割頭金より月12,247円・利息約114万円多い

物件価格4,000万円を頭金なしで全額借りる場合、計算例として金利1.5%・35年の元利均等返済なら、毎月の返済額は122,474円、利息の合計は11,438,696円です。1割の400万円を頭金にして3,600万円を借りると、毎月110,227円、利息10,294,733円で、差は月12,247円、利息で1,143,963円です。

この比較は、どちらも同じ金利で借りられると仮定しています。実際には、借入額が物件価格に占める割合(融資率)によって金利が変わる商品があります。頭金なしを考えるときは、返済額の差に加えて、融資率による金利の違いと、諸費用の現金をあわせて確認しましょう。

金利はすべて説明用の仮定で、現在の金利や特定の商品の金利ではありません。

融資率とは?物件価格に対する借入額の割合

【フラット35】では、融資率を「借入額÷住宅の建設費または購入価額」で計算します。建設費は請負契約書の請負金額(土地も購入する場合は土地の売買金額を含む)、購入価額は売買契約書の売買金額です。4,000万円の物件で4,000万円を借りれば融資率は10割、3,600万円なら9割です。

同機構の説明では、融資率が9割以下か9割超かによって借入金利が異なり、融資率が9割を超える場合は返済の確実性などをより慎重に審査するとされています。頭金なしの借入れは、この「9割超」に当たります。

ほかの金融機関でも、融資率を条件にしているかどうか、どの程度金利が変わるかは商品によって異なります。申込み前に、自分の融資率でどの金利になるかを確認してください。

融資率9割超で金利が上がる場合を仮定して比べる

融資率による金利差が実際にいくらかは商品と時期で違うため、ここでは仮に、頭金なしの場合だけ金利が0.1ポイントまたは0.2ポイント高くなるとして計算しました。

物件価格4,000万円・35年・元利均等(金利差は説明用の仮定)
借り方借入額月々の返済額利息の合計総返済額
1割頭金・1.5%3,600万円110,227円10,294,733円46,294,733円
頭金なし・1.5%4,000万円122,474円11,438,696円51,438,696円
頭金なし・1.6%4,000万円124,443円12,265,545円52,265,545円
頭金なし・1.7%4,000万円126,431円13,100,275円53,100,275円

金利が0.2ポイント高い場合、1割頭金と比べた利息の差は2,805,542円に広がります。借入額の差400万円に対して、利息の差がその7割ほどになる計算です。頭金の効果を金額別に見たい場合は頭金はいくら入れる?を参照してください。

物件4,000万円・35年の利息の合計(頭金と金利別)
  1. 1割頭金・3,600万円・1.5%1,029万円
  2. 頭金なし・4,000万円・1.5%1,144万円
  3. 頭金なし・4,000万円・1.6%1,227万円
  4. 頭金なし・4,000万円・1.7%1,310万円

元利均等・毎月返済で本サイトの計算式により算出(金利は計算例で、市場金利や予測ではありません)。

グラフの数値を表で見る
物件4,000万円・35年の利息の合計(頭金と金利別)
条件毎月の返済額総返済額利息の合計
1割頭金・3,600万円・1.5%110,227円46,294,733円10,294,733円
頭金なし・4,000万円・1.5%122,474円51,438,696円11,438,696円
頭金なし・4,000万円・1.6%124,443円52,265,545円12,265,545円
頭金なし・4,000万円・1.7%126,431円53,100,275円13,100,275円

頭金なしでも、諸費用の現金は別に必要になる

全国銀行協会の解説によると、住宅取得には税金・手数料・保険料などの諸費用がかかり、合計は物件価格の5〜10%程度になるのが一般的です。4,000万円の物件なら200万円〜400万円が目安になります。印紙税、登録免許税、融資手数料、保証料、火災保険料などが含まれ、引越し代や家具の購入費も別にかかります。

諸費用を借入れに含められるかどうか、含めた場合に融資率や金利がどう扱われるかは、金融機関や商品によって異なります。仮に諸費用280万円も借りて4,280万円を金利1.5%・35年で返すと、毎月131,047円、利息の合計12,239,439円です。頭金なし・4,000万円の場合と比べると、月々は8,573円、利息は800,743円増えます。現金で払うか借りるかで、月々と総額が変わります。

諸費用の中には、融資手数料や保証料のように金融機関などによって金額や徴収方法が異なるもの、固定資産税のように引渡日を基準に日割りで精算するのが一般的なものもあります。見積書を受け取ったら、どの費用をいつ現金で払うのかを一覧にしておくと、頭金なしでも必要な現金がはっきりします。現金の準備は住宅購入で現金がいくら必要かで整理しています。

頭金なしの借入れで、残高と手元資金の関係を見る

4,000万円を1.5%・35年で借りると、残高は1年後39,124,301円、5年後35,487,235円、10年後30,623,227円です。最初の数年は残高が物件価格に近いまま推移します。住み替えなどで早い時期に売却する可能性があるなら、売却額で残高を返せるかどうかも考えておく必要があります。

全国銀行協会の解説は、頭金を貯める場合は諸費用も含めて物件価格の2〜3割の自己資金を貯めるようにした方がよいとしています。一方で、手元資金をすべて頭金に入れると、急な支出や収入の減少に備える余裕がなくなります。頭金を入れない場合も入れる場合も、生活のための預金を別に確保しておくことが前提です。

住宅金融支援機構の住宅ローン利用者調査(2026年1月調査)では、融資率(融資額÷住宅価格)は「90%超~100%以下」が24.1%で最も多くなっています。

4,000万円・金利1.5%・35年の年末残高
4,000万円・金利1.5%・35年の年末残高横軸は経過年数、縦軸は年末のローン残高。頭金なし・4,000万円。01,000万2,000万3,000万4,000万0年10年20年30年35年

元利均等・毎月返済で本サイトの計算式により算出(金利は計算例で、市場金利や予測ではありません)。

グラフの数値を表で見る
4,000万円・金利1.5%・35年の年末残高
経過頭金なし・4,000万円
0年後40,000,000円
5年後35,487,235円
10年後30,623,227円
15年後25,380,636円
20年後19,729,995円
25年後13,639,546円
30年後7,075,053円
35年後0円

年収600万円なら、頭金の有無で返済負担率はどれだけ違う?

年収600万円の人が上の例で借りた場合の、年間返済額の割合を計算しました。1割頭金・1.5%(月110,227円)なら22.0%、頭金なし・1.5%(月122,474円)なら24.5%です。頭金なしで金利が仮に0.1ポイント高い1.6%(月124,443円)なら24.9%、0.2ポイント高い1.7%(月126,431円)なら25.3%になります。

頭金400万円の有無で、返済負担率は2.5〜3.3ポイントほど変わる計算です。【フラット35】の総返済負担率にはほかの借入れの返済も含まれるため、自動車ローンなどがある場合は、その分も足して確認してください。

負担率が基準の範囲に収まっていても、頭金なしで借りると手元資金に余裕がある一方、借入額と利息は大きくなります。頭金を入れると負担率は下がりますが、手元に残るお金は減ります。どちらにも代償があるため、手元資金の残り方と月々の割合を並べて決めましょう。

頭金なしと頭金ありを並べて計算する

金利上昇シミュレーションに、頭金なしの借入額と金利、比べたい金利(融資率9割超で想定される金利)を入れると、同じ期間での月額と総額の差がわかります。頭金ありの場合は、借入額を減らしてもう一度計算してください。

月々の予算から出発するなら、返済予算から元金を計算するツールで元金の目安を出し、物件価格との差が頭金と諸費用でまかなえるかを確認します。どちらも審査や借入可能額を判定するものではありません。

参照した情報

本記事は一般的な仕組みと計算の読み方を説明します。契約の条件は金融機関の書類で確認してください。