この記事のポイント
- 物件4,000万円・1.5%・35年では、頭金100万円あたり利息は約28.6万円、月々は約3,060円減ります。
- 金利0.8%なら頭金400万円で減る利息は587,385円で、1.5%の場合のほぼ半分です。
- 400万円は、5年後に返済額軽減型で繰上返済するより、頭金にした方が減る利息は多くなります。
- 頭金は、諸費用・引越しなどの費用・生活のために残す預金を先に差し引いてから決めます。
頭金100万円ごとに、利息は約28.6万円・月々は約3千円減る(1.5%・35年の例)
物件価格4,000万円で、計算例として金利1.5%・35年の元利均等返済とした場合、頭金を増やすと借入額が減り、月々の返済額と利息の合計が次のように変わります。
| 頭金 | 借入額 | 月々の返済額 | 利息の合計 | 頭金なしとの利息の差 |
|---|---|---|---|---|
| 0円 | 4,000万円 | 122,474円 | 11,438,696円 | ― |
| 200万円 | 3,800万円 | 116,351円 | 10,866,645円 | 572,051円 |
| 400万円 | 3,600万円 | 110,227円 | 10,294,733円 | 1,143,963円 |
| 800万円 | 3,200万円 | 97,980円 | 9,150,787円 | 2,287,909円 |
金利と期間が同じなら、利息は借入額にほぼ比例します。この例では頭金100万円あたり約28.6万円の利息が減り、月々は約3,060円軽くなります。頭金の効果は、金利が高いほど、期間が長いほど大きくなります。
元利均等・毎月返済で本サイトの計算式により算出(金利は計算例で、市場金利や予測ではありません)。
グラフの数値を表で見る
| 条件 | 毎月の返済額 | 総返済額 | 利息の合計 |
|---|---|---|---|
| 頭金0円 | 122,474円 | 51,438,696円 | 11,438,696円 |
| 頭金200万円 | 116,351円 | 48,866,645円 | 10,866,645円 |
| 頭金400万円 | 110,227円 | 46,294,733円 | 10,294,733円 |
| 頭金800万円 | 97,980円 | 41,150,787円 | 9,150,787円 |
金利が低いと、頭金で減る利息も小さくなる
同じ4,000万円の物件で、仮に金利0.8%・35年なら、頭金400万円で減る利息は587,385円、月々の減少は10,923円です。1.5%の場合の1,143,963円と比べると、ほぼ半分です。
金利が低い場合は、頭金を入れても減る利息が小さく、手元資金を残す価値が相対的に大きくなります。反対に、借入れ後に金利が上がる商品では、借入額が小さいほど上昇時の増加額も小さくなります。頭金の効果は、自分の金利で計算して判断しましょう。金利が上がった場合の増加額は金利上昇シミュレーションで確認できます。
頭金にするか、手元に残して後で繰上返済するか
400万円を頭金にする代わりに、手元に残しておき、後で繰上返済に使う場合と比べてみます。4,000万円・1.5%・35年で借り、5年後に400万円を繰上返済すると仮定しました(手数料0円)。
| 400万円の使い方 | 減る利息 | その後の月額・期間 |
|---|---|---|
| 頭金にする(最初から3,600万円) | 1,143,963円 | 月110,227円・35年 |
| 5年後に繰上返済(返済額軽減型) | 969,727円 | 月108,669円・期間は同じ |
| 5年後に繰上返済(期間短縮型) | 2,082,692円 | 月122,474円のまま・49か月短縮 |
同じ返済額軽減の形なら、早く元金を減らす頭金の方が利息は多く減ります。全国銀行協会のFPの回答でも、繰上返済は実施時期が早いほど効果が大きいとされています。一方、期間短縮型の繰上返済は返済期間そのものを縮めるため、減る利息は大きくなります。ただし、最初の5年間は月々122,474円を払い続けることになり、比べている内容が違う点に注意してください。
元利均等・毎月返済で本サイトの計算式により算出(金利は計算例で、市場金利や予測ではありません)。
グラフの数値を表で見る
| 方法 | 利息の合計 | 毎月の返済額 | 返済期間 |
|---|---|---|---|
| 繰上返済なし | 11,438,696円 | 122,474円 | 35年 |
| 期間短縮型 | 9,356,004円 | 122,474円 | 30年11か月 |
| 返済額軽減型 | 10,468,969円 | 108,669円 | 35年 |
手元に残すお金を先に決めてから、頭金を決める
全国銀行協会の解説によると、住宅取得の諸費用は物件価格の5〜10%程度が一般的で、頭金を貯める場合は諸費用も含めて物件価格の2〜3割の自己資金を貯めるようにした方がよいとされています。4,000万円の物件なら、諸費用だけで200万円〜400万円が目安です。
手順としては、自己資金の総額から、①諸費用、②引越し・家具などの費用、③生活のために残す預金を先に差し引き、残りを頭金に回すと考えると、頭金の入れすぎを防げます。同協会の別の解説では、無理のない借入額に自己資金を足したものが、購入できる物件価格(諸経費込み)になるとしています。
手元資金を残しておけば、収入が減ったときの返済や、繰上返済の原資として後から使えます。頭金を入れすぎて預金がなくなると、繰上返済のような選択肢も使えなくなります。
頭金が少ないと、金利そのものが変わることもある
【フラット35】では、融資率(借入額÷建設費または購入価額)が9割以下か9割超かで借入金利が異なります。4,000万円の物件なら、頭金400万円以上で融資率が9割以下になります。ほかの金融機関の取扱いは商品によって異なるため、頭金の額で金利が変わるかを確認しておきましょう。
頭金なしの場合の比較は頭金なし(フルローン)の返済額と総額で計算しています。また、親などからの資金援助を頭金に充てる場合の税金の扱いは住宅取得等資金の贈与税の非課税で扱います。
頭金を入れて、月々をほぼ変えずに期間を短くする
頭金の効果は、月々を下げる形だけでなく、返済期間を短くする形でも使えます。4,000万円を35年で借りると月122,474円ですが、400万円を頭金にして3,600万円を30年で借りると、計算例の金利1.5%で月124,244円です。月々は1,770円増えるだけで、完済は5年早くなります。
| 借り方 | 月々の返済額 | 利息の合計 | 総返済額 |
|---|---|---|---|
| 頭金なし・4,000万円・35年 | 122,474円 | 11,438,696円 | 51,438,696円 |
| 頭金400万円・3,600万円・35年 | 110,227円 | 10,294,733円 | 46,294,733円 |
| 頭金400万円・3,600万円・30年 | 124,244円 | 8,727,286円 | 44,727,286円 |
頭金なし・35年と比べると、頭金400万円・30年では利息が2,711,410円、総返済額が6,711,410円少なくなります(総返済額の差には頭金400万円分の元金の差も含まれます)。完済年齢を早めたい場合は、頭金と期間をあわせて考えると選択肢が広がります。
頭金で借入額を減らすと、金利が上がったときの増加額も小さくなる
借入額が小さければ、金利が上がったときに増える返済額も小さくなります。35年返済で金利が1.5%から仮に2.5%になった場合、毎月の増加額は4,000万円で20,525円、3,600万円で18,472円、3,200万円で16,419円です。全期間の総返済額の増加は、それぞれ8,619,959円、7,758,032円、6,896,108円です。
頭金800万円の違いで、金利上昇時の月々の増加額は約4千円、総額の増加は約172万円変わる計算です。頭金の効果は「今の利息が減る」ことだけでなく、「将来金利が変わったときの影響が小さくなる」ことにもあります。変動金利で借りる予定なら、この点も頭金の額を決める材料になります。
頭金の額を変えて計算する
金利上昇シミュレーションに、頭金を引いた借入額・返済期間・金利を入れると、月々の返済額と利息の合計が出ます。頭金の額を変えて何度か計算すると、上の表と同じ比較ができます。
頭金にせず後で繰上返済する場合は、繰り上げ返済シミュレーションで「繰り上げる時期」を指定して、期間短縮型と返済額軽減型を比べてください。月々の予算から借入額を出すなら返済予算から元金を計算するツールが使えます。
参照した情報
本記事は一般的な仕組みと計算の読み方を説明します。契約の条件は金融機関の書類で確認してください。