この記事のポイント
- 年収700万円・負担率25%なら月145,833円で、金利1.5%・35年の元金の目安は約4,763万円です。
- 年収の合計が同じなら計算上の借入額も同じで、違いが出るのは収入が減ったり止まったりしたときです。
- 450万円+250万円の世帯で250万円の収入がなくなると、返済額の割合は38.9%に上がります。
- 450万円の収入だけで返せる額を基準にすると、世帯年収で出す額より17,010,335円小さくなります。
年収700万円・負担率25%なら月145,833円、金利1.5%・35年で約4,763万円
年収700万円の25%は年間175万円、月々145,833円(円未満切捨て)です。計算例として35年(420回)の元利均等返済に当てはめると、金利1%なら元金51,661,490円、金利1.5%なら47,629,134円が数式上の目安です。
計算上は、700万円を1人で得ていても、450万円と250万円の2人で得ていても、年収の合計が同じなら同じ金額になります。違いが出るのは、どちらかの収入が減ったり止まったりしたときです。
この記事では、世帯年収700万円を「1人の収入」と「共働きの合計」の二つの形で比べ、借入額を決めるときに確認したいことを整理します。金利は説明用の仮定で、審査や借入可能額を示すものではありません。
元利均等・毎月返済で本サイトの計算式により算出(金利は計算例で、市場金利や予測ではありません)。
グラフの数値を表で見る
| 金利 | 元金の目安 | 総返済額 | 利息の合計 |
|---|---|---|---|
| 金利1% | 51,661,490円 | 61,249,620円 | 9,588,130円 |
| 金利1.5% | 47,629,134円 | 61,249,573円 | 13,620,439円 |
2人の収入を合わせて借りる方法:収入合算とペアローン
2人の収入で住宅ローンを組む方法には、1つの借入れに収入を合わせる「収入合算」と、2人がそれぞれ借りる「ペアローン」があります。【フラット35】の収入合算では、合算できるのは申込み本人の親・子などの直系親族または配偶者で、申込時に満70歳未満、本人と同居し、連帯債務者になる人ひとりです。合算できる金額は合算者の年収の全額までとされています。
住宅金融支援機構の住宅ローン利用者調査(2026年1月調査)では、「ペアローン」または「収入合算」を利用した人は38.7%でした。年代別では20〜29歳でペアローン35.3%・収入合算21.3%、30〜39歳でペアローン30.9%・収入合算14.4%と、若い世代ほど利用割合が高くなっています。
二つの方法の違いはペアローンと収入合算の違いで詳しく比べています。
片方の収入が減ると、負担率はどこまで上がる?
世帯年収700万円(450万円+250万円)で、金利1.5%・35年・月145,833円の返済を組んだと仮定します。返済額は変わらないまま収入だけが変わると、年収に対する割合は次のようになります。
| 世帯の年収 | 状況の例 | 返済額の割合 |
|---|---|---|
| 700万円 | 2人とも今の収入 | 25.0% |
| 575万円 | 250万円の収入が半分になる | 30.4% |
| 450万円 | 250万円の収入がなくなる | 38.9% |
1人で700万円を得ている世帯は、収入が止まれば返済の原資が一度になくなります。一方、共働きでは片方の収入が残りますが、残った収入だけで見ると負担率は38.9%まで上がります。どちらの形でも、収入が減ったときの返し方を事前に考えておく必要があります。
主な収入だけで返せる額と、世帯年収で出す額の差
家計の考え方の一つとして、450万円の収入だけでも返せる額を基準にする方法があります。450万円の25%は月93,750円で、金利1.5%・35年なら元金30,618,799円です。世帯年収700万円で出した47,629,134円との差は17,010,335円です。
この差額分は、もう一方の収入が続くことを前提にした借入れと読むことができます。育児休業や時短勤務、転職などで収入が変わる時期がありそうなら、その期間の家計をどう回すかを、借入額を決める前に話し合っておくと安心です。どちらの基準を選ぶかは世帯の事情によって違い、正解は一つではありません。
住宅金融支援機構の住宅ローン利用者調査(2026年1月調査)の回答者を世帯年収で見ると、「600万円超~800万円以下」が23.2%で、区分の中で最も多くなっています。同じ世帯年収700万円でも、その中身が1人の収入か2人の合計かで、収入が減ったときの影響は大きく違います。
住宅を持つと、返済以外にも管理費・修繕積立金や税金などの支出が続きます。全国銀行協会の解説が示すように、借りられる金額と返すことができる金額は分けて考えましょう。
収入合算では、合算する人の年齢で期間が短くなることもある
【フラット35】では、合算額が合算者の年収の50%を超える場合、申込み本人と合算者のうち年齢が高い方を基準に借入期間の上限を計算します。同機構は、本人30歳・年収400万円、合算者55歳・年収600万円の例で、合算者の年収を全額合算すると上限は24年、合算額を300万円以下にとどめると35年になると説明しています。
共働きの夫婦で年齢差が大きい場合や、親の収入を合算する場合は、合算の仕方によって返済期間、ひいては月々の返済額が変わります。借入期間と年齢の関係は完済年齢から返済期間を決めるで計算しています。また、【フラット35】で申し込めるのは連帯債務者を含めて2名までです。
世帯で借りる前に話し合っておきたいこと
- 収入が減る可能性がある時期(育児休業・時短勤務・転職・介護など)と、その間の返済の原資
- 収入合算かペアローンか、それぞれ誰がどの借入れに責任を負うか
- 団体信用生命保険の加入の仕方と、保険金が充てられる範囲
- 返済用の口座と、家計の中での負担の分け方
【フラット35】のペアローンでは、団信は借入れごとに加入を申し込み、一方に万一のことがあった場合に保険金が充てられるのはその人の借入れです。もう一方の人は自分の借入れの返済を続ける必要があります。保険の仕組みは団体信用生命保険(団信)とはで扱います。
世帯年収700万円で負担率35%まで使うと、片方の収入だけでは返せない水準に
【フラット35】の基準では、年収400万円以上なら総返済負担率35%以下が目安です。世帯年収700万円で35%まで使うと月204,166円で、金利1.5%・35年なら元金の目安は66,680,723円になります。25%で出した47,629,134円より約1,905万円大きい金額です。
この返済を450万円の収入だけで続けると、年間2,449,992円は年収の54.4%にあたります。収入合算で借りる場合、総返済負担率には合算者の分も含めたすべての借入れが入りますが、基準を満たすかどうかと、片方の収入が止まったときに返せるかどうかは別の問題です。世帯の合計で基準の上限まで借りるほど、2人の収入が続くことへの依存も大きくなります。
元利均等・毎月返済で本サイトの計算式により算出(金利は計算例で、市場金利や予測ではありません)。
グラフの数値を表で見る
| 条件 | 毎月の返済額 | 総返済額 | 利息の合計 |
|---|---|---|---|
| 450万円の25%で出した元金 | 93,750円 | 39,374,719円 | 8,755,920円 |
| 世帯700万円の25%で出した元金 | 145,833円 | 61,249,573円 | 13,620,439円 |
| 世帯700万円の35%で出した元金 | 204,166円 | 85,749,442円 | 19,068,719円 |
世帯年収と主な収入の両方で計算してみる
返済予算から元金を計算するツールの「年収から月々の金額を求める」で、まず世帯年収700万円、次に主な収入450万円を入れて、二つの元金の目安を出してみてください。返済期間・基準の金利・比べたい金利は同じにそろえると、収入の前提だけの差がわかります。
借入額の候補が決まったら、金利上昇シミュレーションで金利が上がった場合の月額も確認しておきましょう。いずれも審査の結果や借入可能額を示すものではありません。
参照した情報
- 住宅金融支援機構:【フラット35】収入合算
- 住宅金融支援機構:【フラット35】ペアローンの概要
- 住宅金融支援機構:【フラット35】ご利用条件
- 住宅金融支援機構:住宅ローン利用者の実態調査(2026年1月調査)
- 全国銀行協会:住宅ローンの返済可能額を知ろう
本記事は一般的な仕組みと計算の読み方を説明します。契約の条件は金融機関の書類で確認してください。