計算方法

元利均等返済と元金均等返済の違い:最初の負担と総返済額を比較

3,000万円・35年・金利1.5%で、元利均等と元金均等の初回返済額、残高の減り方、利息の合計を計算。元金均等は初回108,929円と重い一方、利息は約69万円少なくなる例を示します。

この記事のポイント

  • 3,000万円・1.5%・35年では、元金均等の初回は108,929円で、元利均等より17,073円重くなります。
  • 利息の合計は元金均等の方が685,393円少なく、残高もどの時点でも元金均等の方が少なくなります。
  • 元金均等の返済額が元利均等を下回るのは、193回目(約16年後)からです。
  • 金利2.5%では、二つの方式の利息の差は1,887,977円まで広がります。

3,000万円・1.5%・35年なら、元金均等は初回が17,073円重く、利息は685,393円少ない

3,000万円を計算例として金利1.5%・35年(420回)で借りると、元利均等返済の毎月の返済額は91,856円で一定です。元金均等返済では、初回の返済額が108,929円で、その後少しずつ減っていきます。初回の差は17,073円です。

利息の合計は、元利均等が8,578,882円、元金均等が7,893,489円で、元金均等の方が685,393円少なくなります。全国銀行協会の解説でも、元金均等返済は元金の返済が早く進むため返済金の総額が少なくなる一方、返済開始からしばらくは毎回の返済額が多くなると説明されています。

金利は説明用の仮定です。元金均等返済の金額は、本サイトの計算ツールでは扱っていないため、下に示す方法で別に計算しています。

元利均等と元金均等は、毎回の返済額の決め方が違う

元利均等返済は、元金と利息を合わせた毎回の返済額が一定になる方法です。返済額が変わらないので家計の計画が立てやすい一方、最初のうちは返済額に占める利息の割合が大きく、元金の減り方がゆっくりです。

元金均等返済は、毎回の返済額のうち元金に充てる部分を一定にし、そこにその時点の残高に応じた利息を上乗せする方法です。残高が減るにつれて利息も減るため、返済額は回を追うごとに小さくなります。

このページの元金均等の計算方法は次のとおりです。毎月の元金は3,000万円÷420回を1円単位で切り上げた71,429円とし、最終回は残高に合わせて71,249円に調整します。各月の利息は「月初の残高×1.5%÷12」の1円未満を切り捨てます。元利均等は本サイトの計算方法(返済額は1円単位で切上げ、利息は1円未満切捨て)によります。実際の金融機関の端数処理とは異なる場合があります。

元利均等・3,000万円・1.5%・35年の年ごとの元金と利息
  1. 1年目利息40%
  2. 5年目利息37%
  3. 10年目利息32%
  4. 15年目利息27%
  5. 20年目利息21%
  6. 25年目利息15%
  7. 30年目利息8%
  8. 35年目利息1%
  • 元金
  • 利息

元利均等返済のみの計算です。本サイトの計算ツールは元金均等返済を扱いません。
元利均等・毎月返済で本サイトの計算式により算出(金利は計算例で、市場金利や予測ではありません)。

グラフの数値を表で見る
元利均等・3,000万円・1.5%・35年の年ごとの元金と利息
年元金利息年間返済額
1年目656,780円445,492円1,102,272円
5年目697,368円404,904円1,102,272円
10年目751,647円350,625円1,102,272円
15年目810,150円292,122円1,102,272円
20年目873,206円229,066円1,102,272円
25年目941,171円161,101円1,102,272円
30年目1,014,427円87,845円1,102,272円
35年目1,092,746円8,888円1,101,634円

返済額と残高の推移を、回数ごとに比べる

3,000万円・金利1.5%(仮定)・35年
返済回数元金均等の返済額元利均等の返済額元金均等の残高元利均等の残高
1回目108,929円91,856円29,928,571円29,945,644円
60回目(5年)103,661円91,856円25,714,260円26,615,387円
120回目(10年)98,303円91,856円21,428,520円22,967,338円
180回目(15年)92,946円91,856円17,142,780円19,035,348円
240回目(20年)87,589円91,856円12,857,040円14,797,322円
300回目(25年)82,232円91,856円8,571,300円10,229,433円
360回目(30年)76,875円91,856円4,285,560円5,306,004円
420回目(最終回)71,338円91,218円0円0円

元金均等の返済額が元利均等を下回るのは193回目(約16年後、91,786円)からです。それまでの約16年間は、元金均等の方が毎月の負担が大きくなります。一方、残高はどの時点でも元金均等の方が少なく、10年後で約154万円、20年後で約194万円の差があります。

最初の1年で、家計の負担はいくら違う?

最初の12回の返済額を合計すると、元金均等は1,301,249円、元利均等は1,102,272円で、198,977円の差があります。月平均では約1万6千円です。住宅を買った直後は、引越しや家具の購入などで出費が重なりやすい時期でもあるため、この差を家計が吸収できるかを確認しておきましょう。

返済負担率を自分で計算する場合も、元金均等では最初の年の返済額が最も大きくなるため、その金額で割合を確かめておくと安心です。審査でどの返済額をもとに割合を計算するかは、金融機関に確認してください。

反対に、16年目以降は元金均等の方が毎月の負担が軽くなり、最終回は71,338円まで下がります。収入が後になるほど増える見込みが立たない場合や、早く残高を減らしたい場合に、この形が合うかどうかを考える材料になります。

金利が高いほど、利息の差は大きくなる

同じ3,000万円・35年で金利だけを変えると、二つの方式の差は次のように変わります。金利0.5%では、初回の返済額は元金均等83,929円・元利均等77,876円で、利息の差は76,488円にとどまります。金利2.5%では初回が133,929円と107,249円になり、利息の差は1,887,977円まで広がります。

2.5%の例では、初回の差が26,680円まで広がります。金利が低いときは、元利均等でも元金の減り方が比較的速いため、方式による利息の差は小さくなります。金利が高いほど元金均等の利息軽減の効果は大きくなりますが、そのぶん初回の負担も重くなります。金利は説明用の仮定です。

どちらの返済方法を選べるかは、商品によって違う

全国銀行協会の解説では、住宅ローンの返済方法として元利均等返済と元金均等返済があると説明しています。【フラット35】では、元利均等毎月払いと元金均等毎月払いのどちらかを選べるとされています。ほかの金融機関で元金均等返済を選べるかどうかは、商品によって異なるため申込先に確認してください。

元金均等を選ばなくても、元利均等で借りて期間短縮型の繰上返済をすれば、元金を早く減らして利息を減らすことができます。手元資金の状況に合わせて時期と金額を選べる点が違いです。繰上返済の効果は繰上返済の選び方で解説しています。

返済予定表で、自分の返済方法を確かめる

すでに借りている場合は、返済予定表の「返済額」が毎回同じなら元利均等、少しずつ減っていれば元金均等と判断できます。予定表の元金と利息の内訳を見ると、上の表のような推移を自分の契約で確認できます。読み方は返済予定表の読み方で説明しています。

最初は利息が多いという元利均等の特徴は返済の最初は利息が多い?でも取り上げます。

元利均等の返済額と返済表を計算する

金利上昇シミュレーションに借入額・返済期間・金利を入れると、元利均等返済の毎月の返済額と利息の合計、年別・月別の返済表を確認できます。元金均等との比較には、このページの表や金融機関の試算を使ってください。本サイトのツールは元金均等返済を計算しません。

元利均等で借りて途中で繰上返済する場合の効果は、繰り上げ返済シミュレーションで確認できます。

参照した情報

本記事は一般的な仕組みと計算の読み方を説明します。契約の条件は金融機関の書類で確認してください。