税と控除

中古住宅の住宅ローン控除:限度額・期間・築年の要件

中古住宅の住宅ローン控除は、2026年以降の入居で省エネ性能の高い住宅の控除期間が13年に広がりました。区分ごとの限度額と、昭和57年以後の建築などの耐震要件、2800万円の試算を紹介します。

この記事のポイント

  • 2026〜2030年入居の中古住宅は、認定住宅・ZEH水準と省エネ基準適合住宅が13年、その他の住宅は10年です。
  • 昭和57年1月1日以後の建築か、耐震基準への適合の証明などが中古住宅の要件です。
  • 省エネ性能の証明がないと「その他の住宅」になり、2800万円の例では省エネ基準適合との差が383,900円です。
  • 2800万円・30年・1.2%の省エネ基準適合住宅では、11年目から控除額が限度額14万円を下回ります。

中古住宅は区分により10年または13年、限度額は14万〜24.5万円

中古住宅(建築後使用されたことのある住宅のうち買取再販住宅以外)の住宅ローン控除は、入居した年と省エネ性能の区分で控除期間と控除限度額が決まります。国税庁 No.1211-3(令和8年4月1日現在法令等)によると、2026年(令和8年)から2030年に入居した場合は次のとおりです。

中古住宅の控除期間と各年の控除限度額(国税庁 No.1211-3)
住宅の区分2022〜2025年入居2026〜2030年入居特例対象個人(2026年以降)
認定住宅(長期優良・低炭素)10年・21万円13年・24.5万円31.5万円
ZEH水準省エネ住宅10年・21万円13年・24.5万円31.5万円
省エネ基準適合住宅10年・21万円13年・14万円21万円
その他の住宅10年・14万円10年・14万円上乗せなし

計算例として、2026年4月に2800万円を借りて中古住宅に入居し、30年・金利1.2%(月々92,655円)で返済すると、控除額の合計は認定住宅・ZEH水準で2,051,200円、省エネ基準適合住宅で1,783,900円、その他の住宅で1,400,000円です。同じ条件で2025年に入居していた場合は、認定住宅等で10年・合計1,667,300円でした。

築年の要件:昭和57年以後の建築か、耐震基準への適合

中古住宅で控除を受けるには、建築後使用されたことのある家屋が次のいずれかに当てはまる必要があります。

  1. 昭和57年1月1日以後に建築されたもの
  2. それより前の建築なら、取得の日前2年以内に耐震基準に適合すると証明されたもの(耐震住宅)
  3. どちらにも当たらない要耐震改修住宅で、取得の日までに耐震改修の申請をし、住み始める日までに耐震改修で耐震基準に適合すると証明されたもの

3に当たる場合は、認定住宅等ではなく「その他の住宅」として扱われます。添付書類は、昭和57年以後の建築なら登記事項証明書、それ以前で耐震住宅に当たるなら、建築士等の「耐震基準適合証明書」、登録住宅性能評価機関の「建設住宅性能評価書」の写し、既存住宅売買瑕疵担保責任保険の付保証明書のいずれか(どれも取得の日前2年以内のもの)です。築年数が古い物件を検討するときは、購入前にどの書類を用意できるか売主や仲介会社に確認しておくと安心です。

新築と中古で控除限度額はどう違う?2026年入居で比べる

2026年に入居する場合の控除限度額を、新築等(国税庁 No.1211-1)と中古住宅(No.1211-3)で並べると、違いがはっきりします。

2026年入居の控除期間と各年の控除限度額(特例対象個人に当たらない場合)
住宅の区分新築等中古住宅
認定住宅13年・31.5万円13年・24.5万円
ZEH水準省エネ住宅13年・24.5万円13年・24.5万円
省エネ基準適合住宅13年・14万円13年・14万円
その他の住宅原則対象外10年・14万円

中古住宅では、省エネ性能の証明がない「その他の住宅」でも10年・14万円の控除を受けられるのに対し、新築では2024年以降の入居で原則対象外になります。一方、認定住宅の控除限度額は新築の方が高く設定されています。

省エネ性能の証明がないと「その他の住宅」になる

同じ築年でも、省エネ性能を証明できるかどうかで控除の区分が変わります。中古住宅でZEH水準省エネ住宅や省エネ基準適合住宅として控除を受けるには、建築士等が発行した「住宅省エネルギー性能証明書」や登録住宅性能評価機関の「建設住宅性能評価書」の写し(売主等名義でも買主名義でも可)などが必要です。省エネ基準適合住宅は、2026年1月1日以後の居住なら、令和7年4月1日以後に確認を受けた新築時の検査済証の写し(取得の日前2年以内に交付)も使えます。

2026年4月1日以後に入居する場合、性能証明書は取得の日前2年以内か取得の日以後6か月以内に家屋の調査が終わったものが対象です。証明がなければ「その他の住宅」として10年・限度額14万円で計算します。上の例では、省エネ基準適合住宅とその他の住宅の差は383,900円(13年間の合計)です。

新築と共通の要件と、中古住宅で注意したい点

  • 取得の日から6か月以内に住み始め、控除を受ける年の12月31日まで住み続けていること
  • 床面積が50平方メートル以上(40平方メートル以上50平方メートル未満の「特例既存住宅」は合計所得金額1,000万円以下の年に限る)で、床面積の2分の1以上を自分の住まいに使うこと
  • 控除を受ける年分の合計所得金額が2,000万円以下であること
  • 10年以上にわたって分割返済する一定の借入金であること
  • 取得時とその後も生計を一にする親族や特別な関係のある人からの取得でないこと、贈与による取得でないこと

中古住宅では、親族から買う場合が対象外になる点に特に注意が必要です。また、宅地建物取引業者が一定の増改築等をした住宅を買う「買取再販住宅」は別の区分(No.1211-2)で扱われます。売主の債務を引き継ぐ契約の場合は、債務の承継に係る契約書の写しも添付します。

省エネ基準適合の中古住宅で、控除額が減り始める時期

限度額14万円の区分では、残高×0.7%が14万円を下回った年から控除額が減ります。上の2800万円・30年・1.2%の例で年ごとに見ると、次のとおりです。

2026年4月入居・中古の省エネ基準適合住宅・2800万円・30年・金利1.2%
年年末残高残高×0.7%控除額
1年目(2026年)27,480,943円192,300円140,000円
5年目(2030年)24,277,907円169,900円140,000円
10年目(2035年)20,051,846円140,300円140,000円
11年目(2036年)19,175,794円134,200円134,200円
13年目(2038年)17,391,851円121,700円121,700円

10年目までは限度額いっぱいの140,000円で、11年目から残高に応じて減っていきます。年末残高がおおむね2,000万円を下回ると限度額に届かなくなる計算です。返済期間を短くしたり繰上返済をしたりすると、この時期が早まります。

中古・省エネ基準適合・2800万円の年ごとの控除額
  1. 2026年140,000円
  2. 2027年140,000円
  3. 2028年140,000円
  4. 2029年140,000円
  5. 2030年140,000円
  6. 2031年140,000円
  7. 2032年140,000円
  8. 2033年140,000円
  9. 2034年140,000円
  10. 2035年140,000円
  11. 2036年134,200円
  12. 2037年128,000円
  13. 2038年121,700円

2026年4月入居・30年・金利1.2%・元利均等、特例対象個人に当たらない場合。
元利均等・毎月返済で本サイトの計算式により算出(金利は計算例で、市場金利や予測ではありません)。

グラフの数値を表で見る
中古・省エネ基準適合・2800万円の年ごとの控除額
年年末残高控除額
2026年27,480,943円140,000円
2027年26,694,532円140,000円
2028年25,898,632円140,000円
2029年25,093,130円140,000円
2030年24,277,907円140,000円
2031年23,452,847円140,000円
2032年22,617,832円140,000円
2033年21,772,741円140,000円
2034年20,917,453円140,000円
2035年20,051,846円140,000円
2036年19,175,794円134,200円
2037年18,289,170円128,000円
2038年17,391,851円121,700円

中古住宅の条件で控除額を試算する

住宅ローン控除シミュレーションでは、住宅の区分で「中古・認定住宅またはZEH水準省エネ住宅」「中古・省エネ基準適合住宅」「中古・その他の住宅」を選べます。入居年によって控除期間と限度額が自動で切り替わるので、性能証明が取れる場合と取れない場合を並べて比べてみてください。

物件価格と借入額の関係から考えたい場合は、返済予算シミュレーションで月々の返済額から元金の目安を逆算できます。新築の場合の区分ごとの違いは省エネ性能と住宅ローン控除で説明しています。

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