金利の読み方

短期プライムレートとは?変動金利の基準金利との関係

短期プライムレートの意味、日本銀行の統計での読み方、2001年以降の主な変更を整理します。変動金利の基準金利との関係と、残高2,000万円の例で0.25ポイントの変化が返済額に与える影響も計算します。

この記事のポイント

  • 短期プライムレートは銀行が自主的に決める金利で、住宅ローンの適用金利そのものではありません。
  • 主要行の最頻値は2009年1月から15年あまり1.475%のままで、その後約2年で2.375%まで上がりました。
  • 三菱UFJ銀行の例では、変動金利の基準金利が短プラと同じ幅で、数か月遅れて上がっていました。
  • 残高2,000万円・残り25年・0.9%の例では、0.25ポイントの上昇で毎月2,268円増えます。

短期プライムレートとは:銀行が自主的に決める金利の指標

短期プライムレート(短プラ)は、銀行が自主的に決める金利で、変動金利型住宅ローンの基準金利を考えるときによく出てくる指標です。日本銀行は「長・短期プライムレート(主要行)の推移」という統計で、主要行の水準と実施日を公表しています。

この統計の注記によると、掲載している短期プライムレートは、都市銀行(みずほ銀行、三菱UFJ銀行、三井住友銀行、りそな銀行、埼玉りそな銀行)が自主的に決定した金利のうち、最も多くの銀行が採用した金利(最頻値)と、最高・最低の金利です。1989年1月23日以降は、総合的な調達コスト等をベースとした方式に変わったと記されています。2026年10月8日現在のデータでは、最頻値は2.375%(2026年8月3日実施)でした。

住宅ローンの変動金利とのつながり

三菱UFJ銀行の解説では、多くの金融機関が短期プライムレートをもとに変動金利の基準金利を決めているとされています。短期プライムレートの決め方は各金融機関で異なりますが、日本銀行の政策金利の影響を受け、利上げがあれば短期プライムレートや変動金利の基準金利が見直される流れになると説明されています。

ここで大切なのは、短期プライムレートは住宅ローンの適用金利そのものではないという点です。実際の返済に使われるのは、基準金利から優遇幅を差し引いた適用金利です。短プラが2.375%だからといって、住宅ローンの金利が2.375%になるわけではありません。基準金利と適用金利の区別は基準金利と適用金利の解説で詳しく説明しています。

2001年以降、短期プライムレートはどう動いてきたか

日本銀行の統計「長・短期プライムレート(主要行)の推移」で2001年以降の最頻値を見ると、2009年1月から2024年9月までの15年あまりは1.475%のまま変わっていません。その後の約2年で4回上がり、2026年8月3日実施の2.375%まで合計0.9ポイント上昇しています(2026年10月8日現在のデータ)。各回の実施日と水準は、統計の原表で確認してください。

長く動かなかった時期の感覚のまま契約を見ていると、変化に気づきにくい点に注意が必要です。仮に、適用金利が同じ0.9ポイント上がったとすると、残高3,000万円・残り35年のローンでは毎月の返済額がどれだけ変わるかを下の図で示します。適用金利がこの幅で動くとは限らず、金利は計算例です。

3,000万円・35年:適用金利が0.9ポイント上がった場合
  1. 金利0.5%77,876円
  2. 金利1.4%90,393円

短期プライムレートの上昇幅と同じ0.9ポイントを、仮に適用金利へ当てはめた計算例です。実際の基準金利の見直し幅は金融機関や契約によって異なります。
元利均等・毎月返済で本サイトの計算式により算出(金利は計算例で、市場金利や予測ではありません)。

グラフの数値を表で見る
3,000万円・35年:適用金利が0.9ポイント上がった場合
条件毎月の返済額総返済額利息の合計
金利0.5%77,876円32,707,511円2,707,511円
金利1.4%90,393円37,964,735円7,964,735円

銀行の基準金利は短プラと同じ幅で動いたか

三菱UFJ銀行のコラムには、変動金利(毎月型)の基準金利が2024年10月に2.625%、2025年4月に2.875%、2026年3月に3.125%、2026年9月に3.375%と推移した例が載っています。上がり幅は0.15、0.25、0.25、0.25ポイントで、上の表の短期プライムレートの変更幅(1.475%→1.625%→1.875%→2.125%→2.375%)と同じ並びです。

ただし、反映の時期は数か月ずれています。また、これは一つの銀行の例であり、すべての金融機関の基準金利が短プラと同じ幅・同じ時期に動くと保証するものではありません。短プラ以外の指標を使う商品もあり得るため、自分の契約で基準金利が何に連動するのかは、契約書や金融機関の説明で確認してください。

自分の書類で「基準金利-優遇幅=適用金利」を埋めてみる

三菱UFJ銀行の解説は、住宅ローンの金利を「基準金利-優遇幅=適用金利」という関係で説明しています。短プラの変化が自分にどう響くかを知るには、この式の3つの欄を自分の書類で埋めるのが近道です。

  • 基準金利:金利変更のお知らせや返済予定表に記載されていることが多い数字です。
  • 優遇幅:金銭消費貸借契約書や借入時の書面で確認します。同じ解説では、優遇幅は契約時に決まり、原則として借入後に変更できないとされています。
  • 適用金利:実際の利息計算に使われる金利で、返済予定表に載っています。

優遇幅が返済期間を通じて一定の「通期優遇型」なら、基準金利の変動幅がそのまま適用金利の変動幅になります。当初の一定期間だけ優遇幅が大きい「当初期間優遇型」では、期間終了後に優遇幅が縮小します。違いは優遇金利の種類の解説で計算しています。

計算例:適用金利が0.25ポイント動くと返済額はいくら変わる?

計算例として、残高2,000万円・残り25年(300回)で、基準金利2.875%から優遇幅1.975ポイントを差し引いた適用金利0.9%のローンを考えます。数字はすべて説明用の仮定です。通期優遇型で優遇幅が変わらず、基準金利が0.25ポイント上がって適用金利が1.15%になった場合を比べます。

残高2,000万円・残り300回・元利均等・毎月返済
適用金利毎月の返済額残りの総返済額
0.9%74,473円22,341,594円
1.15%76,741円23,021,880円
1.4%79,051円23,715,123円

0.25ポイントの上昇で毎月は2,268円、残りの総額は680,286円増えます。仮に短プラの上昇幅と同じ0.9ポイントが適用金利にそのまま加わって1.8%になったとすると、毎月の返済額は82,838円となり、0.9%のときより8,365円多くなります。

残高2,000万円・残り25年の毎月の返済額(金利別)
  1. 0.9%74,473円
  2. 1.15%76,741円
  3. 1.4%79,051円
  4. 1.8%82,838円

元利均等・毎月返済で本サイトの計算式により算出(金利は計算例で、市場金利や予測ではありません)。

グラフの数値を表で見る
残高2,000万円・残り25年の毎月の返済額(金利別)
条件毎月の返済額総返済額利息の合計
0.9%74,473円22,341,594円2,341,594円
1.15%76,741円23,021,880円3,021,880円
1.4%79,051円23,715,123円3,715,123円
1.8%82,838円24,850,846円4,850,846円

統計を見るときの注意点

日本銀行の統計は毎月1回を目途に更新されますが、毎月数値が変わるとは限らないと注記されています。個別の銀行の金利は各行のホームページで確認するよう案内されており、統計の最頻値が自分の取引銀行の数字と一致するとは限りません。

同じ表には長期プライムレートも載っていますが、これはみずほ銀行が自主的に決定・公表した金利を掲載したものです。住宅ローンの固定金利そのものではないため、固定金利の動きを知りたいときは、借入先や検討先の金融機関が公表する金利を確認してください。固定金利の考え方は長期金利と固定金利の解説で扱っています。

短プラの変化を自分の返済額に置き換える

短プラの変更が報じられたら、まず自分の契約の基準金利が見直されるか、いつ適用金利に反映されるかを確認します。そのうえで金利上昇シミュレーションに、返済予定表のローン残高、残りの返済期間、現在の適用金利を入れ、「比べたい金利」に現在の金利へ変更幅を足した値を入れてください。毎月の差と残りの総額の差が表示されます。

返済額の改定が5年ごとになる契約では、引落額が変わるのは先になることがあります。その場合の流れは変動金利の見直し時期を参考にしてください。計算結果は特定の金利や商品を勧めるものではありません。

参照した情報

本記事は一般的な仕組みと計算の読み方を説明します。契約の条件は金融機関の書類で確認してください。