この記事のポイント
- 新築住宅の家屋の固定資産税は、新たに課税される年度から一定期間、税額の2分の1が減額されます。
- 減額期間は一般住宅3年(マンション等5年)、長期優良住宅5年(マンション等7年)です。
- 長期優良住宅の特例は、認定通知書を添えて新築の翌年1月31日までに市区町村へ申告します。
- 減額期間が終わると本来の税額に戻るため、その年から住まいの費用が増えます。
減額は2分の1。一般住宅3年、長期優良住宅5年(マンション等はさらに2年)
国土交通省の説明によると、新築住宅の家屋にかかる固定資産税は、新たに課税されることになった年度から一定期間、税額の2分の1が減額されます。期間は次のとおりです。
| 住宅の種類 | 一般住宅の特例 | 長期優良住宅の特例 |
|---|---|---|
| 一般の住宅(戸建てなど) | 3年間・2分の1 | 5年間・2分の1 |
| マンション等(3階以上の中高層耐火住宅) | 5年間・2分の1 | 7年間・2分の1 |
計算例として、減額前の家屋分の固定資産税が仮に年12万円の戸建てなら、減額は年6万円です。一般住宅なら3年間で合計18万円、長期優良住宅なら5年間で合計30万円の軽減になります。長期優良住宅のマンション等なら7年間で42万円です(税額12万円は説明のための仮定で、実際の税額は市区町村が決めます)。
ここでの減額は家屋(建物)部分の固定資産税についてのもので、土地部分の扱いはこの資料には含まれていません。土地と家屋それぞれの税額は、市区町村からの通知で確認してください。
数値は税額が2分の1に減額される年数です。
出典:国土交通省:認定長期優良住宅を取得したときに利用できる減税制度
グラフの数値を表で見る
| 項目 | 値 |
|---|---|
| 一般の住宅・一般住宅の特例 | 3年 |
| 一般の住宅・長期優良住宅の特例 | 5年 |
| マンション等・一般住宅の特例 | 5年 |
| マンション等・長期優良住宅の特例 | 7年 |
長期優良住宅の特例を受けるための要件と申告
長期優良住宅の特例(減額期間の延長)を受けるための主な要件として、国土交通省は次の2つを挙げています。
- 登記簿上の家屋の床面積が40平方メートル以上240平方メートル以下であること
- 令和13年3月31日までに新築されていること
手続きは、長期優良住宅の認定通知書またはその写しを添付して、新築した年の翌年(1月1日に新築した場合はその年)の1月31日までに市区町村に申告します。令和6年度からは、マンション等の区分所有住宅について、管理組合の管理者等から変更認定通知書が提出され要件に当たると認められれば、区分所有者が申告書を出していなくても適用されるようになりました。
一般住宅の特例の床面積などの要件や申告の要否は、本サイトが参照した資料には詳しく書かれていないため、住宅のある市区町村の案内で確認してください。
減額はいつから始まり、売買するとどうなる?
固定資産税は、毎年1月1日(賦課期日)時点の登記簿上の家屋の所有者に課される税です。減額が適用されるのは、その住宅に新たに固定資産税が課されることになった年度からです。
国土交通省の説明では、売買などで所有者が変わり、減額の適用期間が残っている場合は、新しい所有者が残りの期間について減額を受けるとされています。たとえば分譲住宅を減額開始から2年目に買った場合、1年目は分譲事業者が、2年目以降は購入者が軽減された税額を負担します。減額期間が終わると、本来の税額に戻ります。新築から少し時間がたった住宅を買う場合は、減額があと何年残っているかを確認しておくと、入居後の税額の見通しが立てやすくなります。
減額が終わる年に、住まいの費用が増える
固定資産税の減額は、ずっと続くものではありません。上の例(減額前の税額が年12万円と仮定)を月割りにすると、減額中は月5,000円、減額後は月10,000円で、減額が終わる年から月5,000円ほど住まいの費用が増える計算です。
計算例として、4000万円・35年・金利1%で借りた場合の月々の返済額は112,915円です。返済額だけで家計を組んでいると、4年目(一般住宅の場合)に固定資産税の増加に気づくことがあります。住宅を持つと、固定資産税のほかにマンションなら管理費・修繕積立金、戸建てなら修繕費も続きます。月々の返済予算は、これらの費用を差し引いた額で考えると無理がありません。予算の考え方は住宅ローン返済の予算を整理するで説明しています。
長期優良住宅で受けられるほかの税の軽減
認定長期優良住宅を新築・取得した場合は、固定資産税のほかにも軽減措置があります。国土交通省の説明をもとに主なものをまとめました。
| 税 | 内容 | 手続き先 |
|---|---|---|
| 所得税(住宅ローン減税) | 新築の借入限度額4,500万円(子育て世帯等は5,000万円)、13年・0.7% | 税務署(確定申告) |
| 固定資産税 | 2分の1減額の期間を5年(マンション等7年)に延長 | 市区町村 |
| 登録免許税 | 所有権保存登記0.1%、所有権移転登記は戸建て0.2%・マンション0.1% | 法務局(登記時) |
| 不動産取得税 | 課税標準からの控除額1,300万円(一般住宅特例は1,200万円) | 都道府県 |
国土交通省のモデルケース(住宅価格4,800万円・借入4,300万円など)では、登録免許税・不動産取得税・固定資産税の特例をすべて適用した軽減額を91万円と試算しています(実際の額とは異なるとの注記つき)。登録免許税は抵当権設定登記の登録免許税、不動産取得税は不動産取得税の住宅の軽減措置も参照してください。
住宅ローン控除とは手続きも窓口も別
新築住宅を取得した年は、税の手続きが重なります。固定資産税の減額は市区町村の税、住宅ローン控除は国の所得税(と一部の住民税)で、手続きの窓口も時期も異なります。
| 特例 | 手続き先 | 時期の目安 |
|---|---|---|
| 住宅ローン控除 | 税務署(初年度は確定申告) | 入居の翌年2月中旬〜3月中旬 |
| 固定資産税の減額(長期優良住宅の特例) | 市区町村 | 新築した年の翌年1月31日まで(1月1日の新築はその年) |
| 登録免許税の軽減 | 法務局(登記時) | 新築・取得から1年以内の登記 |
| 不動産取得税の軽減 | 都道府県税事務所 | 都道府県の条例で定めるところによる |
長期優良住宅の特例は、認定通知書を添えた市区町村への申告が必要です(マンション等は管理者等の手続きで適用される場合もあります)。住宅ローン控除の確定申告と時期が近いので、書類を一か所にまとめておくと手続きの漏れを防げます。
固定資産税も含めて返済予算を考える
返済予算シミュレーションでは、月々の返済予算から数式上の元金を逆算できます。固定資産税や管理費などを先に差し引いた金額を返済予算として入れると、住まいの費用全体で無理のない借入額の目安になります。
減額が終わったあとの税額は、市区町村から届く納税通知書で確認できます。住宅ローン控除の額は住宅ローン控除シミュレーションで試算できますが、固定資産税は計算の対象外です。購入時に必要な税や費用の全体像は住宅ローンの諸費用一覧で整理しています。
参照した情報
本記事は一般的な仕組みと計算の読み方を説明します。契約の条件は金融機関の書類で確認してください。