契約との違い

金銭消費貸借契約で住宅ローンの何を確認する?金利・返済日・繰上返済

住宅ローンの金銭消費貸借契約(金消契約)で確認したい項目を、金利の種類、返済額と返済日、返済方法、繰上返済の条件、印紙税、保険の順に整理。返済予定表の1回目を計算で照合します。

この記事のポイント

  • 署名の前に、借入額・金利・返済日・返済方法・繰上返済の条件・費用・担保と保険を確かめます。
  • 3,000万円・35年・年0.9%なら毎月83,295円で、1回目は利息22,500円・元金60,795円です。
  • 金利が0.95%なら返済額は83,989円で、数百円以上の差は条件の違いを示す手がかりです。
  • 初回の返済日と金額は、融資日からの日数によって通常の月と違う場合があります。

金銭消費貸借契約で確認したい項目の一覧

住宅ローンの金銭消費貸借契約(金消契約)は、借りる金額、金利、返済の方法などを金融機関と約束する契約です。署名・押印の前に、見積りや申込時の説明と内容が一致しているかを項目ごとに確かめます。

契約前に確認したい主な項目
項目確認すること
借入額・返済期間見積りや審査結果と同じか
金利適用金利、金利の種類、見直しの方法
返済額・返済日毎月の返済額、引落日、初回の返済日
返済方法元利均等か元金均等か、ボーナス返済の有無
繰上返済最低金額、手数料、申込方法
費用印紙税、手数料、保証料
担保・保険抵当権、団信、火災保険の条件

以下、それぞれの項目で何を見ればよいかを説明します。契約の当日に初めて読むのではなく、事前に契約書の案文や重要事項の説明書を受け取って目を通しておくと、疑問点を落ち着いて確認できます。

金利:適用金利と金利の種類、見直しのルール

全国銀行協会の解説では、住宅ローンの金利タイプには全期間固定金利型、固定金利期間選択型、変動金利型があります。変動金利型は通常半年ごとに金利が見直され、元利均等返済の場合は毎回の返済額が通常5年ごとに見直されると説明されています。固定金利期間選択型は、固定期間が終わるとその時点の金利で金利タイプを選び直します。

契約書では、適用される金利の数値だけでなく、その金利がどの基準金利から何ポイント引き下げたものか、引下げがいつまで続くのか、見直しの時期と返済額の変わり方がどう決まっているかを確認します。基準金利と適用金利の関係は基準金利と適用金利、返済額の見直しルールは5年ルール・125%ルールで解説しています。

返済額と返済日:予定表の1回目を自分で計算して照合する

契約書や返済予定表の金額は、自分でも計算して確かめられます。計算例として、借入額3,000万円・35年(420回)・年0.9%(仮の値)・元利均等・毎月返済とすると、毎月の返済額は83,295円です。1回目の内訳は利息22,500円、元金60,795円で、返済後の残高は29,939,205円になります。

借入額3,000万円・35年・年0.9%の返済予定(本サイトの計算方法)
回返済額利息元金返済後の残高
1回目83,295円22,500円60,795円29,939,205円
2回目83,295円22,454円60,841円29,878,364円
420回目82,954円62円82,892円0円

もし契約書の金利が0.95%なら返済額は83,989円で、694円違います。小さな差でも金利の入力違いや条件の違いを見つける手がかりになります。端数処理の違いで1円程度ずれることはありますが、数百円以上の差がある場合は、金利や返済回数などの条件がどこか違っている可能性があります。

この照合は、返済回数を年数ではなく月数で数えることが前提です。35年なら420回で、返済期間の数え方がずれていると、それだけで返済額が変わります。

3,000万円・35年・年0.9%の年ごとの元金と利息
  1. 1年目利息27%
  2. 5年目利息24%
  3. 10年目利息21%
  4. 15年目利息17%
  5. 20年目利息13%
  6. 25年目利息9%
  7. 30年目利息5%
  8. 35年目利息0%
  • 元金
  • 利息

元利均等・毎月返済で本サイトの計算式により算出(金利は計算例で、市場金利や予測ではありません)。

グラフの数値を表で見る
3,000万円・35年・年0.9%の年ごとの元金と利息
年元金利息年間返済額
1年目732,562円266,978円999,540円
5年目759,404円240,136円999,540円
10年目794,345円205,195円999,540円
15年目830,894円168,646円999,540円
20年目869,124円130,416円999,540円
25年目909,111円90,429円999,540円
30年目950,940円48,600円999,540円
35年目994,354円4,845円999,199円

初回の返済日と金額は通常と違うことがある

全国銀行協会の解説では、住宅ローンを借りて住宅を購入した場合、借入れの翌月から毎月支払いを行うのが一般的とされています。ただし、融資を受けた日から初回の返済日までの日数によって、初回の利息が通常の月と違う計算になることがあります。

全国銀行協会の返済シミュレーションも、実際の返済額は借入れの時期や銀行によって異なると注記しています。契約書と返済予定表で、初回の返済日と金額、2回目以降との違いを確認しておくと、最初の引落しで残高不足になるのを防げます。詳しくは融資実行日と初回返済で計算しています。

返済方法:元利均等か元金均等か、ボーナス返済の有無

全国銀行協会の解説では、住宅ローンの返済方法には、毎回の返済額が一定の元利均等返済と、毎回の元金部分が一定で返済が進むほど返済額が減る元金均等返済があります。元金均等返済は総返済額が少なくなる一方、返済開始からしばらくの間は返済額が多くなり、取り扱っていない金融機関もあるとされています。

ボーナス時にも返済する毎月・ボーナス併用払いでは、年間の返済額のうち最大で4〜5割程度までをボーナスに割り振れるとされています(【フラット35】では借入額の40%以内)。申込時に選んだ方法が契約書に正しく反映されているか、ボーナス返済の月と金額を確認します。

繰上返済の条件:最低金額と手数料

全国銀行協会の解説では、金融機関等によっては繰上返済の金額に10万円以上や100万円以上などの制限を設けている場合があり、手数料も1回あたり無料から数万円までの違いがあるとされています。【フラット35】では繰上返済手数料は不要で、一部繰上返済の金額はインターネットサービスでの申込みなら10万円以上、取扱金融機関の窓口なら100万円以上です。

契約時に確認しておきたいのは、最低金額、手数料(期間短縮型と返済額軽減型で違うか、固定期間中かどうかで違うか)、申込みの方法と締切日です。手数料と減る利息の比べ方は繰上返済の手数料で計算しています。

印紙税・保険・担保の条件

金銭消費貸借契約書には印紙税がかかります。国税庁の税額表(令和8年4月1日現在法令等)では、記載金額が1千万円を超え5千万円以下なら2万円で、借入額3,000万円の契約書なら2万円です。

担保については、【フラット35】の場合、借入対象の住宅と敷地に住宅金融支援機構を抵当権者とする第1順位の抵当権を設定します。団信の加入の有無と種類、火災保険の加入条件(【フラット35】では返済終了まで加入が必要)も契約内容の一部として確認します。保険の条件は商品によって違うため、申込時の説明と契約書の記載が一致しているかを見てください。

契約書の控えと返済予定表は、完済まで使う大切な書類です。金利の見直しや繰上返済、借り換え、住宅ローン控除の手続きなどで何度も見返すことになるので、受け取ったらすぐに保管場所を決めておきましょう。

署名の前に、計算ツールで数字を照合する

契約書の借入額・返済期間・金利を金利上昇シミュレーションに入れ、毎月の返済額と年別・月別の返済表を、金融機関から渡された返済予定表と見比べてください。数字が合わない場合は、金利の種類や返済方法、初回の扱いなど、どの条件が違うのかを金融機関に確認します。予定表の読み方は返済予定表の読み方でも解説しています。

参照した情報

本記事は一般的な仕組みと計算の読み方を説明します。契約の条件は金融機関の書類で確認してください。