この記事のポイント
- 【フラット35】の借入金利は、申込時ではなく資金受取時の金利になります。
- 3,500万円・35年の例では、受取時の金利が0.1ポイント動くと毎月約1,800円、総額約75万円変わります。
- 借入金利は借入期間・融資率・団信の種類などに応じて異なり、取扱金融機関によっても異なります。
- 書類がそろわずに受取りが遅れると、想定していた月とは別の月の金利になる可能性があります。
【フラット35】の金利は、資金を受け取るときに決まる
住宅金融支援機構の【フラット35】ご利用条件(2026年4月1日現在)では、借入金利は申込時ではなく資金受取時の金利となり、資金の受取日は取扱金融機関の定める日になると明記されています。全期間固定金利の住宅ローンですが、固定されるのは資金を受け取った時点の金利です。
申し込んだときの金利で資金計画を立てていても、受取時までに金利が変われば返済額も変わります。計算例(3,500万円・35年)では、申込時に見ていた金利1.9%が受取時に2.0%になると、毎月の返済額は1,788円、総返済額は751,016円増えます。金利は説明用の仮の数字です。
手続きの流れのどこで金利が決まるか
【フラット35】の新築住宅を購入する場合の一般的な流れは、住宅金融支援機構のサイトで次のように案内されています。
- 取扱金融機関への借入れの申込み
- 取扱金融機関からの審査結果の連絡
- 物件検査(事業主等による中間現場検査・竣工現場検査の申請と、適合証明書の交付)
- 借入れの契約・資金の受取り・登記・抵当権の設定・火災保険への加入
物件検査の申請と借入れの申込みの順序は問わないとされています。金利が決まるのは最後の段階の「資金の受取り」で、申込みや審査の結果が出た時点ではありません。新築の場合は竣工を待つ必要があるため、申込みから受取りまでの期間が長くなることもあります。その間の金利の動きが、返済額に反映されるということです。
金利を左右する条件
ご利用条件によると、【フラット35】の借入金利は、借入期間(20年以下・21年以上)、融資率(9割以下・9割超)、加入する団体信用生命保険の種類などに応じて異なります。また、借入金利は取扱金融機関によって異なり、借入期間や融資率にかかわらず借入金利が同一の場合もあるとされています。
そのため、同じ月の【フラット35】でも、条件や金融機関によって適用される金利は違います。資金計画で使う金利は、自分の借入期間・融資率・団信の選択に合った区分のものを、取扱金融機関で確認してください。【フラット35】には一定期間の金利引下げ制度もあり、利用できるかどうかでも当初の金利が変わります。なお、ご利用条件では、融資率が9割を超える場合は返済の確実性等をより慎重に審査するとされています。頭金の額は金利の区分だけでなく審査にも関わるため、資金計画の早い段階で検討しておきましょう。
計算例:受取時の金利が動いたときの差
計算例として、3,500万円を35年(420回)で借りる計画で、申込時に確認した金利を1.9%とします。受取時の金利が上下した場合の返済額は次のとおりです。
| 受取時の金利 | 毎月の返済額 | 1.9%との差(月) | 総返済額の差 |
|---|---|---|---|
| 1.8% | 112,382円 | -1,772円 | -744,162円 |
| 1.9% | 114,154円 | - | - |
| 2.0% | 115,942円 | +1,788円 | +751,016円 |
| 2.1% | 117,747円 | +3,593円 | +1,508,687円 |
| 2.2% | 119,567円 | +5,413円 | +2,273,279円 |
0.1ポイントごとに、毎月はおよそ1,800円、総額は約75万円動きます。受取時の金利が下がれば負担は軽くなりますが、上がる場合も想定して余裕を持たせておくと安心です。
元利均等・毎月返済で本サイトの計算式により算出(金利は計算例で、市場金利や予測ではありません)。
グラフの数値を表で見る
| 条件 | 毎月の返済額 | 総返済額 | 利息の合計 |
|---|---|---|---|
| 1.8% | 112,382円 | 47,200,136円 | 12,200,136円 |
| 1.9%(申込時) | 114,154円 | 47,944,298円 | 12,944,298円 |
| 2.0% | 115,942円 | 48,695,314円 | 13,695,314円 |
| 2.1% | 117,747円 | 49,452,985円 | 14,452,985円 |
| 2.2% | 119,567円 | 50,217,577円 | 15,217,577円 |
借入期間の区分も返済額を大きく変える
借入期間が20年以下か21年以上かで金利の区分が分かれる点も、資金計画では重要です。仮に3,500万円を20年(240回)で借りる場合、金利1.6%なら毎月170,506円・総額40,921,119円、1.8%なら毎月173,764円・総額41,702,961円です。35年の場合と比べて毎月の返済額は大きくなりますが、総額は小さくなります。
ご利用条件では、20年以下の借入期間を選んだ場合、原則として返済途中で借入期間を21年以上に変更できないとされています。毎月の負担に無理がないかを、受取時に金利が上がった場合も含めて確かめてから期間を決めることが大切です。
元利均等・毎月返済で本サイトの計算式により算出(金利は計算例で、市場金利や予測ではありません)。
グラフの数値を表で見る
| 条件 | 毎月の返済額 | 総返済額 | 利息の合計 |
|---|---|---|---|
| 35年・1.9% | 114,154円 | 47,944,298円 | 12,944,298円 |
| 20年・1.6% | 170,506円 | 40,921,119円 | 5,921,119円 |
| 20年・1.8% | 173,764円 | 41,702,961円 | 6,702,961円 |
受取時までに確認しておきたいこと
- 資金の受取日(取扱金融機関が定める日)と、それが何月の金利になるか
- 自分の借入期間・融資率・団体信用生命保険の選択に対応する金利の区分
- 金利引下げ制度を利用する場合の条件と、引下げ期間が終わったあとの金利
- 融資手数料や物件検査手数料など、金利以外の費用(金融機関や検査機関によって異なると案内されています)
過去の金利の動きはフラット35の金利推移の調べ方で、長期金利と固定金利の関係は長期金利と固定金利の解説で説明しています。どちらも将来の金利を示すものではないため、受取時の金利は幅を持たせて考えてください。
資金の受取りまでに必要な書類と手続き
受取時の金利で借りるためには、受取日までに手続きを終えておく必要があります。住宅金融支援機構の案内では、資金の受取りの手続を始める前に、借入対象の住宅が機構の技術基準に適合していることを証明する適合証明書を提出する必要があるとされています。新築住宅の購入では、事業主等から適合証明書を受け取り、取扱金融機関に提出したうえで、借入れの契約を行い、資金の受取りとなる流れです。
また、申込時に売買契約書の写しを出さずにパンフレット等だけを提出した場合や、前年の収入を源泉徴収票で申し込んだ場合は、資金の受取りの手続を始める前に、売買契約書の写しや公的収入証明書を提出する必要があると案内されています。必要な書類は取扱金融機関によって異なるため、事前に確認してください。書類がそろわずに受取りが遅れると、想定していた月とは別の月の金利になる可能性もあります。返済終了までの間、借入対象の住宅について火災保険へ加入することも条件とされています。
受取時の金利の候補で返済額を試算する
金利上昇シミュレーションに借入予定額と借入期間を入れ、「現在の金利」に申込時に確認した金利、「比べたい金利」に0.1〜0.3ポイント高い金利を入れると、受取時に金利が上がった場合の毎月と総額の差が分かります。借入額ごとの返済額の目安は3500万円の返済額早見表なども使えます。
変動金利と比べて検討している場合は、変動金利と固定金利の比較で固定金利の欄に受取時の想定金利を入れて試してください。計算結果は特定の商品を勧めるものではありません。
参照した情報
本記事は一般的な仕組みと計算の読み方を説明します。契約の条件は金融機関の書類で確認してください。