この記事のポイント
- 3,500万円・35年・年0.8%に0.2ポイント上乗せすると、毎月3,228円、総額1,356,062円増えます。
- 上乗せ0.1ポイントで総額約67万円が目安で、幅が2倍・3倍になると増加額もほぼ2倍・3倍です。
- 上乗せの負担は前半に集中し、最初の10年間で総額の増加の半分近い624,812円を占めます。
- 名称が似ていても保障の範囲は商品ごとに違うため、上乗せ幅の前に約款で中身をそろえます。
がん団信などの上乗せ0.2ポイントで、総返済額はいくら増える?
団信の種類によって借入金利が異なる商品があり、【フラット35】も加入する団信の種類などで借入金利が異なります。保障を加えた団信で金利が上乗せされる商品なら、その費用は返済額の増加として現れます。計算例として、借入額3,500万円・35年・金利年0.8%(仮の値)に0.2ポイント上乗せして年1.0%になる場合、毎月の返済額は95,572円から98,800円へ3,228円増え、35年間の返済総額は1,356,062円増えます。
月々で見ると3,000円台ですが、総額では130万円を超えます。上乗せ幅や保障の内容は商品ごとに異なるため、この記事の数値は比較の手順を示すための例です。自分の見積りの上乗せ幅を入れて計算し直してください。
上乗せ幅別の早見:0.1・0.2・0.3ポイント
| 上乗せ幅 | 上乗せ後の金利 | 毎月の増加 | 35年間の総額の増加 |
|---|---|---|---|
| 0.1ポイント | 年0.9% | 1,606円 | 674,486円 |
| 0.2ポイント | 年1.0% | 3,228円 | 1,356,062円 |
| 0.3ポイント | 年1.1% | 4,868円 | 2,044,628円 |
上乗せ幅が2倍・3倍になると、増加額もほぼ2倍・3倍になります。厳密には少しずつ増え方が大きくなるのは、金利が高いほど元金の減り方が遅く、利息がかかる残高が長く残るためです。「0.1ポイントで約67万円」という目安を持っておくと、ほかの借入額でも大まかな見当をつけやすくなります。金利のポイントと%の違いは金利0.25ポイントの読み方で説明しています。
元利均等・毎月返済で本サイトの計算式により算出(金利は計算例で、市場金利や予測ではありません)。
グラフの数値を表で見る
| 条件 | 毎月の返済額 | 総返済額 | 利息の合計 |
|---|---|---|---|
| 上乗せなし(年0.8%) | 95,572円 | 40,139,674円 | 5,139,674円 |
| 0.1ポイント(年0.9%) | 97,178円 | 40,814,160円 | 5,814,160円 |
| 0.2ポイント(年1.0%) | 98,800円 | 41,495,736円 | 6,495,736円 |
| 0.3ポイント(年1.1%) | 100,440円 | 42,184,302円 | 7,184,302円 |
上乗せの負担は最初の年ほど大きく、後半は小さくなる
上乗せ分の利息は、その時点の残高に対してかかります。そのため、残高が大きい返済の前半ほど負担が大きく、後半は小さくなります。0.2ポイント上乗せの例で、年ごとに増える利息を見てみます。
| 返済の年 | 上乗せ前の利息 | 上乗せ後の利息 | 差 |
|---|---|---|---|
| 1年目 | 276,808円 | 346,154円 | 69,346円 |
| 10年目 | 211,878円 | 267,134円 | 55,256円 |
| 20年目 | 134,031円 | 170,581円 | 36,550円 |
| 30年目 | 49,706円 | 63,876円 | 14,170円 |
| 35年目 | 4,944円 | 6,389円 | 1,445円 |
最初の10年間で増える利息は624,812円で、35年間の増加1,356,062円の半分近くを占めます。20年間では1,077,306円です。1年目の差69,346円は、35年目の差1,445円の約48倍にあたります。返済額が一定でも、中身の利息の割合は年々変わっていきます。
この性質は、上乗せを付けるかどうかを考えるときにも関係します。保障が必要だと感じる時期(子どもが小さい間など)と、上乗せの負担が大きい時期(返済の前半)は重なりやすく、後半になるほど負担も保障される残高も小さくなります。
借入額が違うと上乗せの総額はどう変わる?
| 借入額 | 毎月の増加 | 35年間の総額の増加 |
|---|---|---|
| 2,500万円 | 2,306円 | 968,589円 |
| 3,500万円 | 3,228円 | 1,356,062円 |
| 4,500万円 | 4,151円 | 1,743,480円 |
上乗せの負担は借入額にほぼ比例します。借入額が1,000万円増えるごとに、35年間の総額の増加はおよそ39万円ずつ大きくなる計算です。借入額が大きい人ほど、同じ上乗せ幅でも金額としての負担は重くなります。
一方で、団信で精算される残高も借入額が大きいほど大きくなるため、「上乗せの費用」と「保障される金額」はどちらも借入額とともに増えます。金額の大小だけでなく、どの状態で保障されるのかという中身と合わせて判断する材料にしてください。
保障の内容を同じ物差しで読む
【フラット35】の新3大疾病付機構団信は、死亡・所定の身体障害状態に加えて、3大疾病が原因で一定の要件に該当した場合や、公的介護保険制度の要介護2から要介護5までのいずれかの状態になった場合なども、残りの返済が不要になる保障です。【フラット35】では、加入する団信の種類などに応じて借入金利が異なります。
民間の住宅ローンの「がん団信」などは、名称が似ていても、保障の対象になる病気や状態、診断だけで支払われるのか一定の状態が続く必要があるのか、残高の全部が精算されるのか一部なのかが商品ごとに違います。金利の上乗せ幅を比べる前に、保障の範囲がそろっているかを約款で確認しないと、安い方を選んだつもりで保障が狭いということも起こり得ます。
返済期間が短いと総額の差は小さい
同じ0.2ポイントの上乗せでも、返済期間によって総額は変わります。3,500万円・0.8%と1.0%で、返済期間を25年にすると、毎月の増加は3,145円、総額の増加は943,376円です。35年の1,356,062円と比べて40万円ほど小さくなります。
期間が短いと毎月の返済額自体は大きくなるため、上乗せの判断と返済期間の判断は分けて考えます。返済期間の違いが月々と総額にどう効くかは35年・40年・50年ローンの比較で確認できます。
元利均等・毎月返済で本サイトの計算式により算出(金利は計算例で、市場金利や予測ではありません)。
グラフの数値を表で見る
| 条件 | 毎月の返済額 | 総返済額 | 利息の合計 |
|---|---|---|---|
| 25年・年0.8% | 128,761円 | 38,628,043円 | 3,628,043円 |
| 25年・年1.0% | 131,906円 | 39,571,419円 | 4,571,419円 |
| 35年・年0.8% | 95,572円 | 40,139,674円 | 5,139,674円 |
| 35年・年1.0% | 98,800円 | 41,495,736円 | 6,495,736円 |
途中で借り換え・繰上返済したら上乗せはどうなる?
繰上返済で残高が減れば、上乗せ分の利息もその分小さくなります。借り換えをすれば、元のローンの団信と上乗せはその時点で終わり、借り換え先で改めて団信を選ぶことになります。前の表のとおり上乗せの負担は前半に多いので、10年で借り換える場合でも、上乗せのために払った額は60万円を超える計算です。
なお、【フラット35】の団信に途中から加入できるのは、契約者本人が亡くなり相続する場合、債務引受(支払者の変更)をする場合、契約者本人が80歳を迎え連帯債務者として加入したい場合の3つに限られています。保障を後から付け足すことは簡単ではないため、申込みの段階で比較しておくことが大切です。民間のローンで途中から保障を変更できるかどうかは、契約によって異なります。
自分の見積りで上乗せの重さを確かめる
金利上昇シミュレーションに借入額・返済期間を入れ、上乗せ前の金利を「現在の金利」、上乗せ後の金利を「比べたい金利」にすると、毎月の差と総額の差が表示されます。年別の返済表で利息の差を見れば、前半に負担が集中する様子も確認できます。団信そのものの仕組みは団信とは、【フラット35】の団信はフラット35の団信で解説しています。
参照した情報
本記事は一般的な仕組みと計算の読み方を説明します。契約の条件は金融機関の書類で確認してください。